概要
- 家で使用しているPCが古くなったので新しいPCを組み立てることにしました。
ここでは、パーツの選定から組み立てまでを紹介します。 - 初心者のため不正確・不適切な情報がある場合はご容赦ください。
- 基本的な方針は次の通りです。
- PCの主な使用用途は、家族の写真やビデオの管理、システムエンジニアとしてVisual StudioやEclipseを使用した技術検証です。ゲームはやらないので、高性能なグラフィックボードは不要の前提です。
- 在宅勤務に伴い物が増え部屋が手狭になってきたので、省スペース化を目指して小型PC(Mini-ITX)にします。
- 今まではIntel系のCPUを使ってきましたが、最近はAMD系CPUが人気のようなので、今回はAMD(Ryzen)を使用します。
- パーツ選定では、可能な限り価格コムのランキングで人気のものを選定します。(低価格、信頼性、トラブル時の情報が多い等のため。)
- 目標としては、5~6万程の想定です。
- Mini-ITXのケースではCD/DVDドライブを搭載できるモデルが少ないので、外付けのCD/DVDドライブを使用する前提とします。また、Windows10のインストールはUSBメモリからできるので後から購入します。
- Windows10(OS)とOffice 2019は別途購入予定なので、ここでの対象外となります。
使用パーツ
- あらかじめパーツを選定しておき、楽天のお買い物マラソンでPCパーツ以外の生活必需品等と併せて纏め買いしました。毎月5/0の付く日の5%、買い回りショップ10店の10%、等の条件で約20%程(7,000円程)のポイント還元になります。そのポイントを使って、別途BDドライブを買いました。
- Windows 10はUSBメモリ(8GB以上)からもインストールできるので、BD/DVDドライブは必須ではありません。
分類 | 名称 | 型番 | 購入価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|
CPU | Ryzen 5 3400G BOX (AMD) | YD3400C5FHBOX | 20,889 | 国内正規代理店品 |
マザーボード | Fatal1ty B450 Gaming-ITX/ac (ASROCK) | B450 GAMING-ITX /AC/M/ASRK | 11,462 | |
グラフィックボード | – | – | – | CPU内臓のVegaを使用 |
メモリ | DDR4 PC4-21300 8GBx2 (ADATA) | AD4U266638G19-D | 5,980 | |
SSD | SSD M.2 500GB (Crucial) | CT500P1SSD8JP | 6,588 | |
HDD | 3.5インチ/2TB/5400rpm (Western Digital) | WD20EZAZ | 6,468 | エコパッケージ版(EC) |
PCケース | METIS PLUS Mini-ITX (RAIJINTEK) | 0R200055 | 6,280 | |
ファン | 120mm 300-1200rpm (サイズ) | SU1225FD12M-RHP | 918 | PCケース天井用 |
電源 | 450W セミプラグイン (玄人志向) | KRPW-BK450W/85+ | 5,598 | |
光学ドライブ | 外付けBDドライブ (I-O DATA) | EX-BD03K | 0 | ポイントで購入 |
合計 | 64,183 |
CPUとマザーボード
- Ryzen3は事務やOffice作業向けには良いが、想定している用途(技術検証)ではちょっと足りないと考えました。Ryzen7は予算オーバーなので、Ryzen5シリーズにします。
- また、想定している用途では高性能なグラフィックは必要ないため、Ryzen5シリーズでグラフィックボードRadeon RX Vega 11を搭載しているRyzen5 3400Gを選定しました。
- Ryzen5 3400Gを搭載可能でMini-ITXのマザーボードとして、Fatal1ty B450 Gaming-ITX/acを選定しました。
ASROCKの製品ページで、このマザーボードがRyzen5 3400Gをサポートすることを確認しました。
メモリ
- 比較的低価格でFatal1ty B450 Gaming-ITX/acでサポートされるADATA社のメモリAD4U266638G19を使用する。
- Fatal1ty B450 Gaming-ITX/acの製品ページには記載がないが、ADATAのメモリ互換性検索ページでFatal1ty B450 Gaming-ITX/acをサポートすることを確認した。
SSDとHDD
- 応答性/データサイズ/コスト等を踏まえ、OSや頻度の高いデータファイルはCドライブ(SSD)、音楽・写真等の大容量になるメディアデータはDドライブ(HDD)に格納しようと考えました。
- SSDの選定
- Windows10のシステム要件ではディスク容量は32GB以上ですが、後々の更新プログラム適用やアプリのインストール、一部のユーザデータの格納を踏まえ、余裕を見て500GB以上のものを条件にしました。
- より高速なデータアクセスを可能にするためSATAではなくPCIeのM2に対応するものを条件としました。
- これらの条件を満たすSSDとしてCrucialのCT500P1SSD8JPを選定しました。
Crucialの互換性検索ページ(Crucial Advisor)でマザーボードFatal1ty B450 Gaming-ITX/acと互換性があることを確認しました。
(“CT500P1SSD8JP”の”JP”は国内販売を意味するようで”JP”を外して検索する必要があります。)
- HDDの選定
- 旧PCで管理していたメディアデータが300GB程度だったので1TB以上のものを考えました。1TBとそれ程コストが変わらない2TBのものを条件としました。
- 静穏性を期待して5400rpmのものを条件としました。
- Seagate, Western Digital, TOSHIBAのもので悩みました…統計的には、TOSHIBAのものが故障率が低いようなのですが、結局どれを選んでも、どれもあたり/はずれの要素が強いようです。無難にWestern DigitalのWD20EZAZにした。
- WD20EZAZは、エコパッケージ版(WD20EZAZ-EC)とリテール版(WD20EZAZ-RT)が販売されています。中身は一緒なのでより安いEC版を選定しました。
PCケース
- Fractal Design社のケース等、デザインが良いと感じるものは大体1万円越えして予算的に厳しい。お手頃でデザインが好みのRAIJINTEKのMetis Plusにした。
デザイン上、唯一気に入らないのがフロント下のRマーク…ネットを調べると100均の落書き落としで消している人もいるので、最悪はそれで対応しようと思います。 - ケースの上面、背面、下面に通気口があり、背面にはケース付属の120mmが取り付けられています。下面は電源で使用します。ケース上面の通気口にはファンは付属しないので、必要であれば別途購入する必要があります。
- ここでは上面用のファンとして、サイズ社のSU1225FD12M-RHPを使用します。
- 3.5インチのHDDを2台使用する場合、ケース下と上に設置することになります。ケース上に設置すると前述のケース上面のファンと干渉するので、ファンを設置できなくなります。
電源ユニット
- ドスパラさんの電源容量計算機にて、想定している構成で電力量を見積もると、合計使用電力の目安は130W程で254Wのものが推奨されます。お手頃のものがないので、450Wのものを条件にします。
- 信頼性向上のため、コンデンサが日本製のものを条件にします。
- PCケースがMini-ITXで空間がかなり限られることもあり、可能な限りプラグインケーブルのものを条件にします。
- 前述の条件を満たすKRPW-BK450W/85+を選定しました。
できれば省スペースのSFXのものが良かったのですが予算的に厳しいため断念しました。
その他
- ケーブル群の整理のために100均で結束バンドを購入しました。ケーブル群がみな黒なので、黒で統一しています。黒いスパイラルチューブは100均で売っていなかったのコジマ電気で購入しました。
実際には数個使った程度でオーバーな準備でした… - 当初、ビニールタイで結束しようと思ったのですが、皮膜が破れて針金が露出するとショート等で故障する可能性があるので、推奨されないようです。
組み立て
次の手順で組み立てを行いました。
ケース内が狭いので、可能な限りマザーボードにパーツを接続してからマザーボードをケースに固定します。また、電源を設置するとマザーボード(特に下側)に対する操作が難しくなるので、電源を最後に設置します。
なお、エアーフローに関してですが、上面から吸引して、電源と背面から排気、を想定しています。
- マザーボードへのパーツ取り付け
- ケースカバー取り外し
- ケースへのマザーボード取り付け
- ケースへのHDD取り付け
- ケースの前面パネル用ケーブルの接続
- 上面カバーへのファン取り付け
- ケーブル類の整理
- 電源ユニットの取り付け
- ケースカバーの取り付け
マザーボードへのパーツ取り付け
マザーボードのマニュアルに従ってパーツを取り付けていきます。
- マザーボードにCPUとファン、メモリを取り付けます。
- SSD(PCIe M2)を取り付けます。
マザーボードの裏側にSSDを取り付けます。マザーボードに付属の小さなネジを使用します。
(裏側にパーツを取り付けた経験がなかったので、取付位置を知るまでに手間取りました…)
- マザーボードにCPU用電源(ATX12V1: 8ピン)を接続しておきます。
マザーボードのCPU電源コネクタが背面ファン近くにあり、マザーボード固定後に接続するのが難しいため。(事前に背面ファンを外しておけば良かったか?)
ケースカバー取り外し
ケース内が非常に狭く作業しづらいので、可能な限りカバーを外し、作業スペースを確保します。
自分の場合、下面から背面に続く電源コードが邪魔だったので下面のパネルと電源コードを取り外したのですが、そこまでやる必要はなかったかもしれません。
ケースへのマザーボード取り付け
マザーボードに付属のIOパネルをケース背面に取り付け(はめ込み)ます。
IOパネルのHDMIやUSB等の差込口とマザーボードの差込口が合うようにをケースに取り付けます。
取り付け後、IOパネルにHDMIやUSBケーブルをスムーズに抜き差しできるか確認します。
ケーブルをスムーズに抜き差しできない場合、マザーボードの固定具合、IOパネルの取付状態、両者の位置を確認・調整します。
なお、IOパネルのUSBポートの辺りに位置合わせのための突起物が付いています。IOパネルのポートとマザーボード側のポート位置を合わせやすくするためのものです。この突起物を認識していないとマザーボードのUSBポートに突起物を差し込みかねないので注意してください。
私的には、マザーボードの背面に取り付けたSSDがケースに接触しないか気になっていたのですが、1mmくらいの幅が空いておりギリギリ接触していませんでした。
ケースへのHDD取り付け
3.5インチHDDを下面に取り付けます。
取り付け後のSATAコネクタや電源コネクタの接続が苦しいので、HDDにSATAや電源コネクタを接続した後にケースにHDDを取り付けた方が楽だと思います。
SATAコネクタの反対側はマザーボードに接続します。電源コネクタの反対側は電源をケースに取り付けてからでも良いと思います。
ケースの前面パネル用ケーブルの接続
ケース前面パネル(電源・LEDランプ、USBポート、オーディオが取り付けられているパネル)のコネクタをマザーボードに接続します。
電源・LEDランプとUSBのコネクタは次のように接続します。オーディオはマザーボードの別の場所に接続します。詳細はマザーボードのマニュアルを参照のこと。
USBのコネクタは、先端がUSB3.0とUSB2.0に分かれていますが、ここではUSB3.0のヘッダピンをマザーボードに接続しました。(USB3.0のヘッダピンの接続で、USB2.0のデバイスも認識できます。)
USB2.0とUSB3.0をマザーボードに接続すると誤動作するので、片方のみ接続する必要があります。
上面カバーへのファン取り付け
上面カバーにファンは付属しないので、別途購入したファンを取り付けます。
2台目の3.5インチHDDを接続する場合、写真右側のトレイに取り付けることになりファンと干渉するため、ファンは取り付けられないことにご注意ください。
ケーブル類の整理
電源ユニットを取り付けるとケース内のスペースがなくなり、マザーボードに対する操作が難しくなります。そのため、次の「電源ユニットの取り付け」の前に、マザーボードに対する結線の確認や変更、ケーブルの整理(結束)を行っておくと良いと思います。
電源ユニットの取り付け
マザーボードの電源ケーブル(ATXPWR1: 24ピン)やSATAの電源ケーブルを接続し、電源ユニットをケースに取り付けます。
ケースカバーの取り付け
取り外したケースカバーを元に戻します。
カバーには表裏があり、表側にはネジの頭が目立たない(出っ張らない)ようにネジ穴が若干広がっています。
組み立て後のトラブルシューティング
組み立てたPCにWindows10をインストールして使ってみましたが、色々問題が発生しましたので、その対応を記載しておきます。
- Windows10インストール時に0x80300024エラー
Windows10インストール時、エラーが出てインストール先を選択できない問題の対応。 - 自作PCのトラブルシューティング
USBデバイスの認識失敗を繰り返す、Metis Plus付属のファンが光らない、PCが勝手に再起動する(KP41問題)、画面表示が乱れる(ブラックアウト・砂嵐)等の問題の対応。