格安のPD対応10000mAhモバイルバッテリー

普段はAnkerのモバイルバッテリーを好んで使っているのですがPD対応だと少々高いので、比較的安く評判も良いシリコンパワーのモバイルバッテリーを購入してみました。

基本情報

  • 基本情報は次の通りです。
    2022年9月現在、Amazonで2,200円程で販売しています。
    製品ページの”Product DM”からカタログ(PDF)をダウンロードすることもできます。

    商品名PD Power Bank(PD対応 10,000mAhモバイルバッテリー)
    メーカーシリコンパワー(2003年に設立された台湾の会社)
    カラーブラック、ホワイト
    型番C10QC
    PD充電電力で異なるモデル。20,000mAhのC20QCもある。
    【18W】黒: SP10KMAPBKC10QCK, 白: SP10KMAPBKC10QCW
    【20W】黒: SP10KMAPBKC10QCKJ5, 白: SP10KMAPBKC10QCWJ5
    購入時のモデルの間違いに注意!
    ※ここで紹介するのは20W黒モデル(SP10KMAPBKC10QCKJ5)です。
    サイズ90.5 x 62.0 x 22.2 mm
    重量184g
    対応充電規格QC3.0(Qualcomm quick charge)
    PD (USB Power Delivery)
    入力“Micro USB” (Micro USB Type-B) :モバイルバッテリー本体充電専用
    “TYPE C”(USB Type-C) :入出力共用、モバイルバッテリー本体をPD充電可
    出力“USB1” (USB Type-A) :QC3.0対応
    “USB2” (USB Type-A) :QC3.0対応
    “TYPE C” (USB Type-C) :PD対応
    ※3台のデバイスに同時に充電可。2台以上の同時充電時は通常充電(QC3.0/PDを利用不可)
    付属品取扱説明書(製品ページからダウンロード可)
    USB Type-A/Micro USB Type-Bケーブル:1本
    USB Type-C/Type-Cケーブル:1本 (18Wモデルでは付属なし)
    保証期間13ヶ月

  • 商品の箱は次の通りです。
  • 商品の箱やマニュアルの仕様を見ると容量が6,300mAhになっていますが、一般的な10,000mAhのモバイルバッテリーと同じ容量です。
    • Amazonで商品説明で次の内容が記載されています。

      【容量について】この製品には額定容量:6300mAhとの記載がされています。シリコンパワー本社のある台湾では、容量表記をリチウムイオン電池の容量ではなく、実際に使用出来る容量である額定容量を表記するよう義務付けられており、リチウムイオン電池容量の10000mAhではなく、実際に使用出来る6300mAhを表記しております。一般的な10000mAh製品と同じ容量の製品となります。

      (Amazonの商品説明から抜粋)

    • 実際に調べてみた所、一般的なモバイルバッテリーで充電に使用できる容量は、バッテリー容量の60%~70%程度らしいです。10,000mAhのモバイルバッテリーの場合だと、実際の充電に使用できるのは6,500mAh程になります。
    • ということで、一般的な10,000mAhと同じ容量です。実際の利用できる電力の表示が義務化されている台湾の方が好感を持てます。

付属品

  • 付属品は次の通りです。
    • 取扱説明書(製品ページからダウンロード可)
    • USB Type-A/Micro USB Type-Bケーブル 1本
    • USB Type-C/Type-Cケーブル 1本

  • 充電ケーブルに関する注意点です。
    • モバイルバッテリー本体からPD急速充電する場合、PD充電に対応したUSB Type-C/Type-Cケーブルが必要です。前述の20Wモデルには付属していますが、18Wモデルに付属しないことに注意が必要です。
    • モバイルバッテリー本体へのPD急速充電を考えている場合、前述のType-C/Type-Cケーブルの他に、PDに対応した充電器が必要になります。
    • iPhoneに充電する場合、別途Type-C/Lightningケーブルが必要となります。

外観

  • 本体の外観は次の通りです。
    • 比較的小さいAnkerのモバイルバッテリーPowerCore 10000と比べると、重さはほぼ同じですが一回り小さい感じです。
  • 充電ポートは次の通りです。
  • 本体のランプで残容量や充電時モードが分かります。
    • 本体には4つのLEDランプが付いており、点灯数で残容量を示しています。
      1ランプで25%以上を表現を表現しており、バッテリー残容量が25%未満になると右端のLEDが点滅します。
    • スマホ等への機器の充電や、モバイルバッテリー本体への急速充電時は、右端のLEDランプが緑に変わります。充電先への充電が80%になると通常充電に戻り、LEDが白色に戻ります。これはPDの急速充電の仕様であり、詳細は後述します。

充電能力

ここでは充電の確認のためにiPhone12(2,815mAh)を使用しています。
モバイルバッテリー本体へのPD充電には、エレコムのPD対応USB充電器(EC-ACD02WH)を使用しています。

  • iPhone12へのPD充電速度
    • iPhone12のバッテリー20%を100%まで充電する時間を計測してみました。
    • 結果として、30分で65%程(+45%程)、1時間で85%程(+65%程)の充電ができました。
    • 充電が80%を超えると急速充電が通常充電に切り替わり、充電速度が低下します。これは、利便性とバッテリーの耐用年数を伸ばすための仕組みで、最初の80%は「利便性を高める」ためにより多くの電力で高速に充電し、残り20%は「バッテリー耐用年数を伸ばす」ために電流を弱めてゆっくり充電(トリクル充電)します。
    • 急速充電中は、モバイルバッテリー本体がやや暖かくなりますが、異常な熱さにはなりませんでした。
  • iPhon12への充電回数
    • モバイルバッテリーが100%の状態から、iPhone12を何回充電できるかを確認してみました。
    • 結果として、iPhone12を約2.8回充電できました。
    • 合計で6,330mAhが充電できたと考えられ、これはモバイルバッテリーの仕様の6,300mAhと近い値になっています。
      • 1回目・2回目の充電では、20%から100%(+80%)に充電しているので、2,815mAh x 0.8 = 約2,250mAhが充電されたと考えられます。
      • 3回目の充電では、20%から85%(+65%)に充電されたので、2,815 x 0.65 = 約1,830mAhが充電されたと考えられます。
      • 3回の合計で6,330mAhとなります。
  • モバイルバッテリー本体へのPD充電速度
    • モバイルバッテリー本体へのPD急速充電する場合、USB Type-C/Type-CケーブルとPD充電に対応した充電器が必要となります。
    • 結果として、PD急速充電を使って3.3時間程で充電できました。

感想

  • この価格で、Ankerの10,000mAhの小型モバイルバッテリーと同等のサイズ・重量で、PD充電ができるのは、コスパがとても良いと思います。
  • PDを使ったiPhoneへの急速充電も期待通りに動作しています。
    アクティビティやアウトドアなどの外出でのちょっとした隙間時間で急速充電できます。例えば、食事や休憩の30分で65%程(+45%程)、ゆっくり休憩の1時間で85%程(+65%程)、の充電が可能です。
  • 同様にちょっとした時間でモバイルバッテリー本体へのPD急速充電も考えられますが、PD対応の充電器が必要となります。ちょっとした時間で、スマホとモバイルバッテリー本体をPDで同時充電が可能なType-Cが2つあるAnker 521 Charger、軽量・コンパクトなAnker 511 Charger辺りがお手頃でおすすめです。ただし、Type-Aがないので汎用的な充電を考えるなら、Type-C/Type-A変換コネクタがあった方が良いかもしれません。
  • ランプの視認性が悪く、見る角度が変わるとランプの点灯が見えづらいです。
  • Ankerの場合はメッシュのケースが付属するのですが、それがないのが残念です。別途100均で探してみたので、こちらをご覧ください。
  • iPhoneを何度か充電しているのですが、80%で充電が停止してしまう場合がありました。モバイルバッテリー本体のボタンを押すと充電が再開します。
    iPhoneの「最適化されたバッテリー充電」の影響かもしれませんが、もう少し試行錯誤して調べてみようと思います。
  • なお、登山やキャンプ等の充電できない場所で2泊以上する場合は、もう一台の安いPD非対応モバイルバッテリーで寝ている間にゆっくり充電、という使い分けも良いと思いました。

参考

100均ケース

  • 100均でケースを探してみました。
  • DAISOでは、サイズがジャストフィットする次の2種類のケース(黒ケースと、STUDIEUXのカメラケース)を見みけました。
    • どちらもモバイルバッテリー本体がぴったり入るサイズです。どちらでも良かったのですが、ジッパーを開いた状態で充電できるSTUDIEUXのカメラケースを購入してみました。
    • 充電ケーブル2本を入れると結構窮屈になるので、もう少し余裕があるものが良かったかもしれません。

測定結果

  • iPhone12(2,815mAh)のバッテリー20%を100%まで充電するのに必要な時間
    経過時間充電状態(増加分)経過時間充電状態(増加分)
    0:0020%(+00%)1:0085%(+65%)
    0:1040%(+20%)1:1090%(+70%)
    0:2051%(+31%)1:2094%(+74%)
    0:3063%(+43%)1:3096%(+76%)
    0:4072%(+52%)1:4098%(+78%)
    0:5080%(+60%)2:05100%(+80%)
  • 100%充電の状態からiPhone12(2,815mAh)をフル充電(20%⇒100%)できる回数
    充電回数1回目2回目3回目
    iPhone充電20% ⇒ 100%
    (約2,250mAh)
    20% ⇒ 100%
    (約2,250mAh)
    20% ⇒ 85%
    (約1,860mAh)
    LED表示数4⇒3(75%以上)3⇒2(50%以上)2⇒0(25%未満)
  • モバイルバッテリー本体をフル充電するのに必要な時間
    ※エレコムのEC-ACD02WHのPD充電ポート(最大30W)を使って充電

    経過時間LED点灯状態充電状態(推測)
    0:001点滅0~24%
    0:301点滅+1点灯25~49%
    1:151点滅+2点灯50~74%
    1:551点滅+3点灯75~99%
    3:204点灯100%